トマトの疫病 農薬6選

この記事では、こんな疑問を解決します。

→ トマトの疫病ってどんな病気?どんな被害が出る?
→ どの農薬が効果的?予防と治療の違いは?
→ 登録されている農薬は何があるの?

症状と発生タイミング

葉が茶色くなってしおれていく…。
「水が足りないのかと思ったら、実は病気だった」そんな経験、ありませんか?

私自身も数年前、トマトの苗を初めて育てた際に、日中にぐったりしているのを見て「暑さのせいかな」と思い、夕方に水を与えて様子を見るだけで放置してしまいました。

実際は疫病が広がっており、数日で葉が枯れ、茎が黒くなって、実がつかないまま苗ごとダメになってしまったのです。

しかも当時は、下葉だけが少し黒くなっていたので「古くなった葉かな」と思い込んでいたのも失敗の原因でした。後になって写真を見返すと、完全に典型的な疫病の症状だったんです。あのときすぐに気づいて薬をまいていれば、と何度も悔やみました。

さらに追い打ちをかけるように、隣の株にも伝染してしまい、気づいたときには4株すべてがやられてしまっていたこともありました。家庭菜園のスペースは限られているので、ひとたび広がると回避の余地がなくなるんですよね。

それ以来、「タイミング」と「農薬の使い分け」を意識するようになり、発病をぐっと減らすことができました。今では5月末〜6月上旬に、最初の殺菌剤を予防的に散布するのが毎年のルーティンです。

疫病とは?

主に「フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)」というカビの仲間の病原菌によって引き起こされます。特に気温が20〜25℃で、湿度が高く雨が続くような条件で発生しやすく、雨が続く時期には急速に拡大します。

いつ防除すべき?

防除のポイントは次の2つです。

【A】発病前に予防的に使う

疫病は、「出てからでは手遅れ」になることもある厄介な病気です。
特に、高湿な時期は、発病しやすい環境になります。
発芽後すぐの時期から、予防的に殺菌剤を散布しておくことが重要です。

【B】発病後は物理的に取り除く

一度発病してしまった葉や果房には、薬剤の効果は限定的です。
発病部分を見つけたら、すぐに園外へ廃棄することが重要です。

  • 感染源を断ち、これ以上の広がりを防げます。
  • 廃棄時はゴミ袋に密閉し、園地の外へ出す。

私は「見つけたら即ゴミ袋」。日をおかずに処理することで、大発生を抑える。これが意外と大事でした。

とはいえ、治癒系の農薬もあるので、記載しておきます。

疫病に使える農薬5選

「トマトの疫病」に対して登録されている主な薬剤の一覧です。
有効成分・系統・効果のタイプをチェックしながら、状況に応じて使い分けてください。

注意点とスケジュール例

簡単に整理してみます。

【A】同じ系統を連続で使わない

農薬には「FRACコード」と呼ばれる系統分類があります。
同じコードの農薬を連続使用すると、病原菌が“慣れて”しまい、効きにくくなることも。
系統を確認しながら、ローテーション使用を心がけましょう。

【B】使用回数と収穫前日数を守る

農薬には、使用制限が必ずあります。
「年3回まで」「収穫の10日前まで」などが定められています。
特に収穫直前は、残留基準を超えないよう要注意。
私は毎年、散布日・農薬名をカレンダーやアプリで記録しています。
記録はトラブル防止にもつながります。

疫病防除スケジュール(参考)

あくまで参考です。

生育ステージ病気使用薬剤例ポイント
定植・活着期低〜中クリーンワイド活着直後の予防。安価で使いやすく初期対応向け。
生育初期(湿度上昇前)ゾーベックエンテクタSE湿度上昇前に予防。治癒効果も兼ねた散布が効果的。
生育中期(高湿度期)ベトファイター顆粒水和剤感染拡大防止+治療的効果。ローテーションに好適。
生育後期(着果期)レーバス、カスミンボルドー継続防除がカギ。葉の健全化と果実保護を両立。
収穫前低〜中硫黄系(クリーンワイドなど)実への影響を抑えて収穫仕上げに。

まとめ

トマトの疫病対策は、「予防+ローテーション+管理」がすべて。
放っておくと収穫に直結する病気だからこそ、“準備”が命です。

今年は葉が落ちず、実もピカピカ。
そんな年になるよう、早めの対策をおすすめします。

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