この記事では、次の疑問が解決できます。
→ カメムシが出る前に何をすればいい?
→ 成長期と飛来期、それぞれどんな薬が効く?
→ 農薬を安全・効果的に使うには?
はじめに
稲作にとっての大敵、カメムシによる斑点米被害。
「気づいたら白い米が増えていた」そんな悔しい経験、ありませんか?
私自身、以前は飛来時期を読み違え、収穫後の等級が下がってしまったことがあります。
その失敗をきっかけに、「タイミング管理」と「農薬選び」の重要性に気づき、今では被害ゼロが続いています。
①タイミングはいつ?
稲のカメムシ防除は、次の2つの時期に分けて考えると効果的です。
【A】成長期(6月中旬~出穂前)
Point!
この時期は残効性の高い薬剤でじわじわ抑えるのがポイント。
特に、6月後半から7月の散布は「予防」として大きな意味を持ちます。
- カメムシの若虫や局所発生が多い
- 繁殖を抑え、飛来ピークを前に個体数を減らす
【B】飛来期(出穂~登熟期/7月下旬〜8月)
体験談
私の地域では、7月下旬から8月上旬にかけて、山から成虫が一斉に水田へ。
このとき、即効性の高い薬剤で一気に処理すると、後の等級被害が激減しました。
- 杉林などからの飛来がピーク
- 成虫をすぐに叩ける即効型の薬が有効
②カメムシに使える農薬5選(無人航空機散布専用)
以下は、2025年現在で登録されている無人航空機専用の有力農薬から、5製品をピックアップしました。

【A 成長期】(残効性◎)
製品名 | 有効成分 | 系統分類 | IRAC |
---|---|---|---|
スタークルメイト1キロH粒剤 | ジノテフラン | ネオニコチノイド系 | 4A |
ダントツEXフロアブル | クロチアニジン | ネオニコチノイド系 | 4A |
エクシードフロアブル | スルホキサフロル | スルホキシイミン系 | 4C |
→ 効果が長く続き、散布後の侵入防止にも有効。出穂前の散布が理想的です。
【B 飛来期】(即効性◎)
製品名 | 有効成分 | 系統分類 | IRAC |
---|---|---|---|
オーケストラスタークルエアー | ジノテフラン・ベンズピリモキサン | ネオニコチノイド系+その他 | 4A+- |
ブレードスタークルRゾル | ジノテフラン・フェリムゾン・フサライド | ネオニコチノイド系+多成分 | 4A+- |
→ 飛来初期に叩くならコレ。速効性重視で成虫を逃さず防除。隣に飛来して被害がでることもあるので素早く対応。
③農薬使用の注意点
次の2点がとても大事です。
- 使用回数の厳守(無人航空機用は年2~3回が限度)
- 系統のローテーション
例えば、「ネオニコチノイド系」を続けて使いすぎると、カメムシが耐性を持ちやすくなります。
私の周りでも、3年同じ系統を使って効果が落ちた、病気が出たといった経験がありました…。
おわりに
米のカメムシ防除は、タイミング×薬の選び方がすべてです。
米価の高いいまだからこそ「等級を落としたくない」「斑点米を出したくない」そんなあなたの力になれれば嬉しいです。
天候・地域・田植え時期に合わせて、柔軟に組み合わせてみてください。
2025年も、カメムシに負けないお米づくりを応援しています!