この記事では、次の疑問が解決できます。
→ カメムシが出る前に何をすればいい?
→ 成長期と飛来期、それぞれどんな薬が効く?
→ 農薬を安全・効果的に使うには?
はじめに
柿の果実に吸汁被害を与えるカメムシ。
「見つけたときにはもう手遅れ…」そんな経験、ありませんか?
私自身も以前、カメムシの発生を見逃してしまい、収穫直前の果実が落果・変形してしまったことがあります。
その反省を活かし、「まく時期」と「農薬の選び方」をセットで考えるようになってから、被害が大きく減りました。
①タイミングはいつ?
カメムシ防除は、「成長期」と「飛来期」の2段階に分けて考えるとわかりやすく、対策も取りやすくなります。
【A】成長期(4月〜7月)
Point!
私はこの時期、4月・7月・8月に残効性の高い薬を使用。継続的に抑えるのが効果的でした。
理由は次のとおり
- 幼虫や若虫が多い時期
- 目的:繁殖サイクルを断つこと
- 使用薬:長く効く「残効性」の農薬
【B】飛来期(6月〜9月)
体験談
私の地域では6月ごろ、カメムシが杉の実から一斉に降りてきます。
そこで、6月頭旬に即効性の高い薬で一気に叩くと、被害がぐっと減りました。5月でもいいです。
- 山や林から成虫が飛来する時期
- 目的:飛来直後に一気に駆除
- 使用薬:即効性のある農薬
②カメムシに使える農薬7選
以下は、「カメムシ防除早見表」です。
有効成分・系統・効果のタイプをチェックしながら、状況に応じて使い分けてください。

【A成長期】(残効性が長いもの)
No.1〜3(ネオニコチノイド系)
繁殖抑制に有効。ローテーション使用で耐性回避も。
【B飛来期】(即効性が高いもの)
No.4〜7(ピレスロイド系・有機リン系)
成虫を一気に退治!
③農薬使用の注意点
農薬の使い方で特に重要なのは、次の2つ。
- 年に使える回数を守ること
- 系統をローテーションすること
ネオニコチノイド系の農薬ばかりを連続使用すると、カメムシが“慣れて”効かなくなるおそれもあります。
今の所耐性はないと聞いたことがありますが、可能性がないわけではない。。。
私は、散布日と使用農薬をカレンダーで管理しています。
紙でもアプリでもOK。記録が防除の第一歩です!
【参考】カメムシ防除スケジュール
あくまで、参考です。適宜組み換えて使用してみてください。
月 | タイミング | 使用薬剤 | 目的 |
---|---|---|---|
4月 | 成長期初期 | モスピラン | 幼虫発生の予防 |
6月 | 飛来初期(重要) | アディオン又はキラップ | 成虫の初期防除 |
7月 | 成長期後半 | アクタラ | 若虫〜成虫初期の抑制 |
8月 | 飛来ピーク | スミチオン又はキラップ | 即効で一気に叩く |
9月 | 追撃用 | クミアイアグロスリン | 最終対処 |
おわり
カメムシの防除は、事前準備と計画性がすべて。
「今年こそ被害をゼロにしたい!」という方へ、少しでも参考になれば嬉しいです。
焦らず、でも確実に。
あなたの柿を守る1年になりますように。