ドイツのニュースが多いですね。
この記事では次のことが解決できます。
- ドイツで何が起きてるの?
- 新政権が発足すると何がおきるの?
- 株価はどうなる?
1. 政権交代:CDU/CSUが勝利
2025年2月23日のドイツ連邦議会選挙で、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が勝利し、フリードリヒ・メルツ氏が新政権を率いることが確実となりました。
選挙結果
CDU/CSUは単独過半数に届かず、SPDとの「大連立」政権が最有力と見られています(選挙の後の話)。両党は4月下旬までの政権発足を目指し、政策合意に向けた交渉を進めています。
政党 | 得票率 | 備考 |
---|---|---|
CDU/CSU | 28.5% | 第1党、新政権を主導 |
AfD | 20.5% | 第2党、他党は連立拒否 |
SPD | 16.5% | 第3党、大連立の可能性 |
緑の党 | 11.8% | 環境政策を重視 |
左派党 | 9% | 野党として活動予定 |
2. 新政権の政策方針
メルツ氏率いる新政権は、経済成長の促進と財政支出の拡大を柱とした政策を掲げています。
ザッとみやすく表にしてみます。
主要政策
政府は「財政出動による成長戦略」を採用し、エネルギーコスト削減やインフラ投資を通じて、景気の押し上げを狙っていますね。
項目 | 内容 |
---|---|
インフレ対策 | 供給力強化・成長促進による間接的なインフレ抑制 |
エネルギー政策 | 再生可能エネルギーの推進、電力税の見直し |
債務ブレーキ | 財政規律の見直しを検討 |
特別基金創設 | 5000億ユーロ規模の基金を設立し、インフラ・国防に投資 |
資金調達 | 国債発行により資金を確保(憲法改正が必要) |
3. 今回の5000億は何年ぶりの規模か?
少し気になったので、調べてみました。
過去に設立された特別基金
今回の5000億ユーロ規模の特別基金は、2020年のCOVID-19対策基金以来5年ぶりの大規模財政出動となります。さらに、防衛費を中心とした特別基金としては、2022年の1000億ユーロの国防特別基金以来3年ぶりの設立となり、過去の施策と比較しても大規模な財政政策であることがわかります。コロナを抜けば歴史上1位ですね。
年 | 基金の名称 | 規模 | 目的 |
---|---|---|---|
2022年 | 国防特別基金 | 1000億ユーロ | NATO防衛義務強化、ロシアの脅威に対応 |
2020年 | COVID-19対策基金 | 6000億ユーロ | 企業支援・医療対策・経済回復 |
2010年 | 経済安定化基金 | 4800億ユーロ | 金融危機後の経済支援 |
4. 株式市場の反応:DAX
前向きな反応を示しましたが、動きはまだ単調です。
株価推移
特に、政府支出拡大の恩恵を受けるインフラ・防衛関連銘柄が急騰し、投資家の期待が高まっています。
指標・銘柄 | 選挙後の変動 |
---|---|
DAX指数 | +3.38%(3月5日) |
欧州建設株指数 | +5.9% |
ハイデルベルクマテリアルズ(建設) | +17.5% |
ラインメタル(防衛関連) | +7.2% |
5. 市場の評価
専門家は、新政権の財政政策を「戦後ドイツ最大の財政転換」と評価しています。
市場の見解
ドイツ銀行のエコノミストは「ドイツ経済の停滞を打破する可能性が高い」とコメントしており、投資家も新たな成長機会を期待しています。
評価 | 内容 |
---|---|
経済成長への期待 | ドイツが再び欧州経済の成長エンジンとして機能 |
財政規律の緩和 | 投資促進につながるが、債務拡大リスクも |
欧州への影響 | ユーロ圏全体の景気押し上げ要因に |
潜在的リスク | 債務増大によるインフレ再燃や憲法改正の難航 |
6. 今後の展望
最後に私なりの展望をまとめました。
まずは憲法改正の「過半数を確保できるか」が喫緊の課題ですね。
項目 | 予定 |
---|---|
連立交渉の最終合意 | 4月下旬までに決定予定 |
債務ブレーキの見直し | 憲法改正には議会の3分の2の賛成が必要 |
特別基金の具体化 | 国債発行による資金調達(市場の反応に注目) |
市場は現時点では新政権の積極財政に対しポジティブな見方を示していますが、政策の実行力が問われる段階にあります。
ドイツの新政権が、国内経済と欧州全体の成長を押し上げるのか、今後の展開に注目です。