この記事では、次の疑問が解決できます。
→ 農薬をまくのに適している天気は?
→ 雨や風の強い日は避けたほうがいい?
→ 農薬の効果を最大限に引き出すには?
いつがいいのか?
農薬をまいても「効き目がないなあ…」
と感じたこと、ありませんか?
実はその原因、“天気”にあることが少なくないんです。
農薬は、葉の表面にとどまり、しっかり吸収されることが重要。
ところが、晴れた日にまくと、液体はすぐに乾いて蒸発してしまいます。
特に真夏のような強い日差しの中では、わずか数分で乾いてしまい、薬が効く前に消えてしまうことも。
その点、曇りの日は気温が安定し、風も穏やか。日差しが弱いため、薬液が乾きにくく、葉にしっかり付着します。
農家の間では、「曇りはゴールデンタイム」と言われることもあるほど、理想的なタイミングなのです。
避けたほうがよい天気は?
■ 雨の日やその直前
→ せっかくまいた農薬が雨で流され、効果がゼロになるおそれがあります。
■ 風が強い日(風速3m/s以上)
→ 農薬が飛散し、狙った作物に届かず、周囲へのドリフト(薬剤の流出)被害にもつながります。
■ 真夏の晴天・猛暑日
→ 葉焼け(薬害)が起こりやすく、薬効よりもダメージの方が大きくなることも。
実際にあった失敗談
私は、真夏の晴天日に農薬をまいたところ、夕方には葉がパリパリに…。
結果として、病害虫は防げても「葉が傷んで光合成できなくなり、実が育たなかった」と話していました。
因みに私も失敗したことがあります。ついつい慌てて作業してしまうんですよね。
「急いでまきたい気持ちがあるときこそ、一呼吸おいて天気予報を確認するのがプロ」だと学びました。
現場のワンポイントアドバイス
散布前に必ずチェックしたい3点
- 前日の天気予報(曇り・小雨程度が理想)
- 当日の風速(2m/s以下がベスト)
- 翌日の天気(雨予報なら延期)
農薬は「使い方次第で宝にも毒にもなる」。
だからこそ、タイミングと天候の見極めが成功の鍵になります。
最近の天気予報は外れることも多いですが、前日の天気予報は必ずチェックしてください。
まとめ|曇りの日は“チャンス”!
農薬をムダなく効かせたいなら、「曇りの日を狙う」のが鉄則。
天気が良い時は日が登る前や後がいいですね。
- 液体が乾きにくく、吸収されやすい
- 風が弱いと薬剤の飛散が少なく、狙った場所に届く
- 薬害のリスクが下がる
作物にとっても、農家にとっても負担が少ないのが曇りの日。
「明日の天気予報は曇ってるな」と思ったら、それが農薬のまきどきです!
よくある質問(Q\&A)
簡単に整理してみました。
質問(Q) | 回答(A) |
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Q1. なぜ風速3m/s以上ではまかない方がいいの? | 薬剤が飛ばされてしまい、作物に届かなくなります。 また、隣の畑や住宅地への影響(ドリフト)が最も心配です。 周囲への迷惑にもなるため、注意が必要です。 |
Q2. 少し小雨が降っていても農薬をまいていい? | 基本的には避けるべきです。 薬剤が薄まり、効果が半減以下になる可能性が高いからです。 雨の後、葉が乾いてからが基本です。 ※「雨の後は空っ風が吹くといいな〜」とよく話してました。 |
Q3. 晴れしかない時期にまきたい場合はどうすれば? | 早朝や夕方など、日差しが弱い時間帯を狙いましょう。 加えて、展着剤を使えば薬剤が葉にとどまりやすくなり、乾燥を防ぐ効果が期待できます。 |
次回予告|② 虫の生態に合わせた農薬タイミングとは?
虫との戦いで重要なのは「先手必勝」。
成虫になってからでは遅いんです。次回は、虫のライフサイクルに合わせて、効果的にまくタイミングをご紹介します。