みかんのアカマルカイガラムシ対策 農薬4選

この記事では、次の疑問が解決できます。

→ アカマルカイガラムシが出る前に何をすればいい?
→ どの農薬が効く?いつ散布するのが効果的?
→ 登録されている農薬にはどんな種類がある?

はじめに

みかんの枝や葉にこびりつくように現れる、赤くて硬いカイガラムシ
「気づいたときには、もうベッタリ…」そんな経験、ありませんか?

農薬散布中に大量のアカマルカイガラムシを見つけ、慌てて防除したことがあります。
でもそのときにはすでに広がっていて、樹勢が落ち、実の肥大も悪くなってしまいました

その反省から、「散布の時期と農薬の選び方」をしっかり考えてからは、発生をかなり抑えられるようになりました。

①タイミングはいつ?

アカマルカイガラムシの防除で大切なのは、「成虫になる前の若虫期にたたくこと」です。

特に発生が多くなるのは5〜6月ごろ
この時期、枝や葉の裏に小さな赤い虫を見かけたら要注意です!

Point!

私は、春先〜初夏(4〜6月)に薬剤散布を2回は必ず実施
防除は一度で終わらせず、若虫が動き出す時期を狙って繰り返すのが効果的です。

②おすすめ農薬はある?

アカマルカイガラムシに登録されている農薬は、次の4種。
有効成分・系統・使用可能時期を確認して、園の状態にあわせて使い分けましょう。

  • フェントエート(PAP)有機リン系(IRAC 1B)で即効性が高く、成虫への効果が大きい一方、残効性はやや短めです。
  • 希釈倍率・使用回数は製品や用途により異なるため、使用前に農薬登録情報を必ず確認してください。

③農薬使用の留意点

ポイントは次のとおりです。

【A】同じ系統を連続で使わない

カイガラムシは“慣れ”やすい害虫です。
ネオニコチノイド系やピリフルキナゾン系などを交互に使うことで、抵抗性の発達を防げます。

【B】使用回数と前日数を必ず守る

全ての薬剤に「年3回以内」「収穫前日まで or 14日前まで」というルールがあります。
スケジュール管理がズレると、出荷制限や薬効のムラに繋がるので注意が必要です。

【参考】防除スケジュール例

あくまで参考です。

害虫の状態使用薬剤例ポイント
4月越冬成虫活動開始アドマイヤー顆粒水和剤発芽前後に散布。ただし露地では開花期は避ける。
5月若虫活動ピークダントツ水溶剤吸汁前の若虫をしっかりたたく。
6月2回目のピークスタークル水溶剤樹内移行性を活かして広範囲を防除。
7月成虫化と定着クミアイコルト水和剤ローテーションに最適。残効性で抑え込み。

おわりに|気づいたら多発…を防ぐには“早めの一手”

アカマルカイガラムシは、知らぬ間に数が増え、木を弱らせてしまう害虫です。

  • 発生の初期にしっかり散布
  • 同じ薬ばかり使わない
  • 使用制限と時期の管理を忘れずに

これを守れば、「今年はスッキリきれいな樹形で、実も充実!」と感じられるはずです。
春の準備が、夏の収穫を守ります。

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