この記事では次のことがわかります。
- FRBの金利据え置き決定の背景は?
- 市場が反応は?
- FOMCの主要ポイントは?
① 政策金利 据え置き
結果は見やすく表で整理しました。
注目したいのが、FOMCメンバー12人のうち8人が、年内の利下げ回数は1回以下と予想したこと。
内部でも慎重な姿勢が示されていることがわかります。
項目 | 内容 |
---|---|
FF金利 | 4.25〜4.50%に据え置き ※2会合連続 |
年内の利下げ予測 | 0.5ポイント(0.25% × 2回) ※前回(2024年12月)と同じ |
当局者の見解 | 12人中8人が年内の利下げ回数を1回以下と予想 |
②経済見通し修正あり
下方修正もあったので、まとめてみます。
指標(2025年) | 最新 | 前回 | 変更点 |
---|---|---|---|
経済成長率 | 1.7% | 2.1% | 下方修正 |
コアインフレ率 | 2.8% | 2.5% | 上方修正 |
失業率 | 4.4% | 4.3% | 上方修正 |
③パウエル議長の発言
記者会見でのパウエル議長の発言は、引き続き慎重といった様子でした。
テーマ | 発言内容 |
---|---|
インフレ | 「インフレ率は上昇し始めている」 |
関税の影響 | 「一過性」との認識 |
経済見通し | 「不確実性は強まった」 |
リセッション | 「高くはない」 |
経済の健全性 | 「経済は健全」 |
④市場反応
FOMC後の主要市場の動向を整理してみました。
市場 | 変動 | 変動値 | 変動率 (%) |
---|---|---|---|
S&P500 | ↑ 上昇 | +15.93 | +0.28% |
NASDAQ100 | ↑ 上昇 | +318.6 | +1.64% |
米国債10年利回り | ↓ 低下 | -0.038 | -0.89% |
ドル/円 | ↓ 円高 | -0.057 | -0.04% |
金(XAU/USD) | ↑ 上昇 | +2.04 | +0.07% |
個人的な解釈も整理してみます。
- 株式市場(S&P500・NASDAQ100):FRBの慎重姿勢が好感され、リスク選好ムードで上昇
- 米国債利回り:利下げ観測の継続で債券価格が上昇し、利回りは低下
- ドル/円:金利の先安観が強まり、ドル売りの流れでやや円高?傾向
- 金価格(XAU/USD):インフレ見通しの引き上げを受け、安全資産の金が上昇。欧州への関税や戦争要因もある。
⑤まとめ
今回のFOMCでは、利下げへの慎重な姿勢が維持され、バランスシート縮小ペースの減速が決定されました。市場はこの決定をポジティブに受け止め、株式市場は上昇、債券利回りは低下、ドル安が進行しました。
しかし、インフレ見通しが上方修正されたことやFOMCメンバーの慎重な見解を踏まえると、今後の金融政策には引き続き注意が必要です。市場は今後もインフレ指標や経済データを注視し、FRBの動向を見極める展開が続くでしょう。